静岡県は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今夏は富士山を開山しないと発表した。開山期間の７月１０日（金）〜９月１０日（木）、富士山の３登山道（富士宮、須走、御殿場ルートの５合目―山頂）を通行止めにする。

地元市町や山小屋関係者と協議した結果、全ての山小屋が休業することもあって、登山者の安全確保ができないと判断した。冬期閉鎖中の５合目や新５合目までの県道についても、関係機関と解除の可否を調整中。

通行止めとする路線は、富士宮ルート（一般県道富士公園太郎坊線）と須走ルート（一般県道足柄停場富士公園線）の５合目〜山頂、御殿場ルート（一般県道富士公園太郎坊線）の新５合目〜山頂。「関係者の皆さまにはご迷惑をおかけしますが、理解と協力をお願いします」としている。

夏の通行止め期間中、県では来季に向けた路面補修や落石対策を実施する。

静岡県側の富士山では例年、４月〜５月の大型連休直前に５合目までの県道３ルートの冬期閉鎖（全面通行止め）を解除し、６合目以降の閉鎖を段階的に解除しながら、７月１０日の全線開通につなげている。今季は緊急事態宣言に伴い、冬期閉鎖が継続されている状況で、富士宮口では山小屋が３密の回避が難しい―として、開山期に一斉休業するほか、市も富士宮口８合目の登山者医療救護施設「富士山衛生センター」の閉鎖を決めた。