富士市立中央病院にこのほど、高速撮影により、動いている心臓の冠動脈の中まで見ることができる最新の低被ばくコンピューター断層撮影(CT)装置が設置され、23日に見学会が開かれた。
設置されたのは、蘭フィリップス社製の「ブリリアンスiCT」。検出器部分の回転速度は世界最速の1回転当たり0.27秒。放射線の照射時間が短縮され、さらに独自の画像再構成ソフトを使うことで精度の高い画像を従来と比べ最大半分の放射線量で得られる。
同CTの能力が最大限に発揮されるのが循環器の検査だ。拍動する心臓に酸素や栄養を与える冠動脈の中まで把握できるため、これまで心筋梗塞などの検査で主流だった心臓カテーテルが不要になる。
冠動脈の詰まりを防ぐステントを入れている人が定期検査をする場合、中央病院ではこれまで2泊3日入院する必要があったが、同CTならば外来で対応できるようになる。
同CTは26日(月)から稼働予定だが、当面は通常のCT検査のみを行う。冠動脈などの検査が本格的に始まるのは、来年1月下旬以降になる見込み。